物理学学位プログラム・リーダー 受川史彦  挨拶

物理学学位プログラムに入学・進学なさった皆さん,おめでとうございます。大変な時期にあたって,思い描いていた計画とは異なる生活を余儀なくされているかもしれませんが,いまは我慢するときです。それぞれにおいて自身を高める準備を行ってくれるよう願います。
本学大学院は,今年度より,全面的に学位プログラム制へと移行しました。その趣旨は,急激に変化し複雑化する現代社会の要請に応えられる高度かつ多様な人材を養成するための教育システムの改革です。大学の役割は第一義的に未来を担う人材を育てることにあり,社会の変化に応じて教育のシステムを変えてゆくのは当然のことです。養成すべき人材像,修得すべき知識・能力が明確になり,皆さんにとって,よりよい教育システムになっていることと信じます。
物理学は自然の法則を解明する学問であり,普遍的・不変的な真理を追究する性格を持っています。また,すべての自然科学の基礎となる学問です。物理学学位プログラムにおいて皆さんは,物理学の研究を通して専門的な知識と幅広い視野を獲得し,それによって将来に直面する課題に立ち向かい科学的に解決する力を養うことができます。自分のやっていることが何かの役に立つのか,けちくさいことは考えずに大きく構えて,長いスパンで社会に還元することをめざして欲しいと思います。そのために,本プログラムにおいて,それぞれの研究に真摯に取り組むことを期待します。